朗読台本・47 晩餐会
このあいだ、山の上のお屋敷にお呼ばれしたんです。お屋敷から招待状が届くなんて、それはそれは光栄なことでしてね? 私の村でお屋敷のご主人様が山から降りてくるのも大変珍しいことなんです。
真っ黒でたくましい馬に引かれたキャブリオレ。その中から出てきたのは、上等な黒い外套を身に纏った肌の白いブロンズヘアの優しい男性。私は一目で恋に落ちました。
私はパン屋で働いていたのですけれど、彼のキャブリオレが店の前に停まってふと、ドアベルを鳴らしました。私はまともに顔も上げられない有様でしたが、ご主人様がすっと真っ白な封筒を差し出して、宜しければ僕と一緒に夕食を、なんていうものですから、私は浮かれてしまって。家にある一番上等なドレスを着てお屋敷に向かいました。
お屋敷のお料理はとてもとても美味しくて、恐る恐る伺ってみたら、パンもお肉もお野菜もみんなみんなお屋敷で作っているのですって。道理で鮮度が素晴らしいと思いました。お肉も最高です。ジンニク、と言うのですか
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